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胃がん・大腸がん・食道がん

消化器がん(食道がん・胃がん・大腸がん)とは

消化器がん(食道がん・胃がん・大腸がん)とは消化器がんは、消化器の粘膜ががん化してしまう病気の総称で、周りの臓器に転移したり、がん細胞が栄養を搾取して栄養失調になったりする可能性があります。
消化器がんには大腸がん、食道がん、胃がんなどがあり、日本ではがん全体の死者の30%以上がこの3つのがんが原因です。がんを発症すると治らないというイメージが以前は強かったですが、医学の進歩によりがんが初期段階のときに治療を始めれば良好な経過をたどれる見込みがあります。初期のがんを見つけるため必要なのは、胃カメラ検査、大腸カメラ検査を定期的に受けることです。

食道がん

食道にできる悪性腫瘍のがんです。食道がんの90%が扁平上皮にできる「扁平上皮がん」と、逆流性食道炎やバレット食道が原因になる場合がある「腺がん」に分類されます。
食道がんは、少しずつ食道の外側へ浸潤していき、血液やリンパ液と一緒に流れ、周りの臓器に転移する可能性があります。

胃がん

胃粘膜に発生したがん細胞が、少しずつ増殖すると胃がんを発症します。進行すると、胃粘膜の外側、周囲の臓器(大腸、膵臓など)に浸潤することもあります。がん細胞が血液やリンパ液に運ばれ、胃から遠い臓器に転移する場合もあります。

大腸がん

大腸粘膜にできるがんで、良性の大腸ポリープががんになるケースが多いです。また、粘膜の正常な細胞が何らかの理由でがん細胞になるケースもあります。日本人に多いのは、直腸やS状結腸にできる大腸がんです。

初期症状はない?消化器がんの症状とは

初期段階の消化器がんのほとんどは、あまり症状が現れません。
その後病気が進むにつれて、胃がんは胃痛、吐き気、黒い便、貧血、食道がんは胸の違和感や食べものが飲み込みづらくなる感じ、大腸がんは細い便や血便といった症状が出てきます。

進行した時の食道がんの症状

  • のどがしみる
  • のどに食べ物がつかえる感じ
  • 胸がしみる
  • のどの痛みや違和感
  • 咳が出る
  • 体重が減った
  • 背中が痛い
  • 声が枯れる

進行した時の胃がんの症状

  • 胃やみぞおちが痛い
  • 便秘、下痢
  • 吐き気、胸やけ、胃もたれがある
  • 黒いタール便が出る
  • 貧血
  • 胃が張っている
  • 食欲がない
  • 体重が減った

進行した時の胃がんの症状

  • 血便や便潜血検査が陽性だった
  • 貧血
  • 便秘と下痢を繰り返している
  • 下痢、便秘
  • 細い便が出る
  • 食欲がない
  • 体重が減った
  • お腹が痛い

消化器がんになりやすい人は?原因について

食道がんの原因

タバコやお酒が発症するリスクを高めます。また、辛いもの、熱いものの過剰摂取、フルーツや野菜不足といった食生活の乱れも原因となります。

胃がんの原因

最も多いのがピロリ菌感染です。さらに、タバコ、塩分の摂りすぎ、フルーツや野菜不足といった生活習慣も原因になる可能性があります。

大腸がんの原因

運動不足、肥満、タバコ、脂肪分の多い食事や動物性たんぱく質の過剰摂取などが原因となり、発症する可能性があります。リンチ症候群や家族性大腸腺腫症など、遺伝子に異常が原因になることもあります。

消化器がんの検査と診断

消化器がんの検査と診断内視鏡検査(胃カメラや大腸カメラ)で消化器がんの診断をします。粘膜組織を少量採取し、顕微鏡でがん細胞の種類や有無などを調べる病理検査を行います。他にも、MRI、CT、PET 検査といった画像検査や血液検査でがんの範囲や進行度合い検査し、がんの大きさを調べます。

消化器がんは腫瘍マーカーで早期発見できる?

腫瘍マーカーでがんの早期発見が可能なのは、前立腺がんの腫瘍マーカーであるPSAのみです。PSAは前立腺がんの初期段階で陽性反応が出やすく、前立腺がんの早期発見に大変役立つ腫瘍マーカーです。健康診断で前立腺以外のがんの早期発見のため、腫瘍マーカーを血液検査の項目に追加してもあまり意味がありません。
「胃がん」、「食道がん」、「大腸がん」は、症状が出にくい病気とされており、腫瘍マーカーで消化器がんを早期発見するのは難しいです。内視鏡検査だけが、消化器がんを早期発見できる方法です。

消化器がんの治療

食道がん

内視鏡治療

食道がんが初期段階であれば、内視鏡によって治療可能です。患者様の身体が受ける負担の軽減も可能になります。

手術・化学療法・放射線治療

大きくなった食道がんは、化学療法で小さくしたり、手術を行ったりします。手術が難しいケースでは、放射線治療や化学療法を組み合わせて治療します。

胃がんの原因

内視鏡治療・手術

内視鏡を用いて、早期の胃がんを切除できます。大きくなった胃がんは、手術で摘出する場合があります。

化学療法

化学療法(抗がん剤治療)は、手術と併用して実施することがあります。また、遠くの臓器に転移している場合や、手術で摘出が困難である場合、再発が確認された場合にも行います。

大腸がんの原因

内視鏡治療

内視鏡で大腸がんを摘出できるのは早期に発見できた場合です。体への負担も少ないです。

手術・化学療法

大腸がんが悪化した場合は、手術による切除が必要です。また、がんの進み度合いにより、化学治療を行う可能性があります。